「こんなに調子良く過ごせるのはいつぶりか、通って良かったです」
今回の患者さんは、福山市三吉町からお越しの起立性調節障害にお悩みの方です。
小学校の頃から起床後に素早く動けませんでした。中学生の頃から徐々に悪化して目が覚めても思うように動けなくなります。無理に起きてもめまいのようなフラフラ状態で起きていられません。午後になるとその不調が嘘のように普通に動けるようになります。大人になっても症状は改善せず、色んな方法を試したと言います。
病院に行って薬を処方されて服薬を続けても、整体で骨の歪みを正しても改善できませんでした。
この方が当院に通って卒業するまでどういった経過を辿ったかお伝えします。
診療時間は 月、水、木、土、日 9時〜12時、15時~19時 休診:火、金、祝 |
ご来院されている患者さんの経過を紹介します。
・お悩み:起立性調節障害、頭痛、めまい
・年齢性別:29歳・女性
最初の頃は周りに相談しても、さぼりだとか、気合や根性が足りないとか、早く寝なさいと言われることが多かったそうです。自分自身でも、ストレッチをしてみたり頑張っているつもりなのに成果がでない。
病院に行き薬を処方されてもあまり効果が得られませんでした。
一生このままなのかと辛かったと言います。
実は、起立性調節障害は小学校の頃から発症する方は10%以上いるそうです。
ただ、症状自体の認知は低かったのですが、最近では、日本テレビの『ザ!世界仰天ニュース』という番組で紹介され広く知られるようになりました。
しかし、仮病を疑われたり、怠けていると思われることが罪悪感になりストレスを感じやすくなります。
そして、午前中に全く活動できなくなってくると我慢のしようがありません。
ブレインフォグのように脳に霧が掛かり頭が冴えない、集中することも難しくなります。
高校や大学受験の勉強も大変だったと聞きました。
起立性調節障害は、一般的に自律神経の影響を原因にされる場合が多いです。
成長期の頃は、ホルモン量の分泌が高いのに対して活動量が低いと、自律神経の振れ幅が少なくなります。
このため成長ホルモンの多い10代からの発症が多いのではと考えられます。
日中に活動量が低いと就寝している間に自律神経の活性は失われ、自律神経の影響で起床しようとしても起き上がれなくなります。
そして、午後になると自律神経は活性化し始めて、身体の活動が出来るようになります。
症状の解説などは情報としてあっても、具体的な解決方法は載っていないことが多いです。
ポイントは、
自律神経からどんな異常が出ているのかより、どの原因から自律神経に異常が出るのかです。
根本的な原因を探ると、座る時間が長すぎた結果に起こる自律神経の不調和でした。
普段の活動量の少なさから、骨盤や背骨に動作異常を起こしていました。
自分では原因に気が付けない生活習慣病のようなものです。
こうなると自分の自己回復力は働かず、他の人と同じような日常生活をしていても自律神経に影響を及ぼしていました。
そのため、薬を飲んでも、早寝をしても、水を沢山飲んでも、マッサージに行ってみても、自律神経を整える整体に行っても根本的には解決できなかったのです。
座り続ける事は内臓にまで影響が及びます。 |
また、カルフォルニアの大規模研究では 25年間に渡り3200名を対象。 Binge Watching as a Young Adult Linked to Cognitive Impairment: Study |
日本人は世界で最も長く座る民族 The descriptive epidemiology of sitting. A 20-country comparison using the International Physical Activity Questionnaire (IPAQ) |
施術により、骨盤や背骨の動きを回復しつつ、自分でも体操やウォーキングにより、骨盤や背骨に負荷のない自然な動きをして活動してもらいました。
正しく身体の機能を使うと強化されます。
症状の浅い方なら、これらの運動や、呼気トレーニングにより回復することが多いです。
ただ、発症から時間の経過が長くなると、正常な動きと自律神経の回復に時間を必要とします。
それでも、1週間が経過すると、以前より朝の起床が少し楽になり、「辛いのはまだ辛いけど、何とか動けるようになってきた」と報告してくれました。
4週間、5週間と施術とセルフケアを計画的に進めていくと、「まだ波はあるけど随分と症状は楽になり朝の全く起きられない状態は無くなった」と言います。加えて、便秘や入眠障害も解消されてきました。
朝起きる時に身体から芯がなくなりグニャッと軟体動物のように力が入らなかったのが、スッキリと起きれるようになりました。
今後はまだ残っている身体の不調を改善するのとメンテナンスのために通院予定です。
施術計画を進めていくと、付帯症状として首肩こりや頭痛、立ちくらみ・めまいは減少していき、便秘も改善され、徐々に朝のだるさやフラフラ感も解消されてきました。
何より身体に芯が通った状態が維持できているのが嬉しいと仰っています。
学校や仕事に行けないなど、強い症状の場合は、まず小児科や心療内科・精神科を受けてください。
もし、急に学校や会社に遅刻するようになり、休む日も多くなってきたり薬やストレッチをしてみても改善しない、水を多く飲んだり、サプリメントや薬を服用しても効果がない場合は一度相談ください。